炎上の見極めってどうするの?

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炎上を防ぐことはできるの?

セレクトショップ大手の販売するTシャツのデザインが、「女性蔑視」などの批判により炎上したことが報じられている。

大手企業において、数多くの商品を展開している中、全てのデザインに対して、「このデザインは社会的な批判を浴びるのか」という観点でのチェックをすることは実際には難しい。せいぜい、デザインや広告の担当者及びその上司などによる自律的な判断にゆだねることが多い。

デザインで炎上問題が発生しやすいのは、文字や人物のキャラクターなどをベースに何かメッセージ性を発信するものである。デザインに何かメッセージ性を込めることは表現活動として自由であることは当然である。ただ、企業活動に大きなダメージを及ぶ可能性があることは常に頭に入れておく必要がある。

炎上対策として、デザインや広告制作のチームに対して、自社のガイドラインのようなものを作る場合がある。例えば、アパレルのデザインとして文字を入れる場合には、その意味やデザイナーの思考確認し、第三者(外部)に確認を入れる、というルールを設定するなどにより、一定のリスクヘッジを行っている企業もある。

炎上リスクを事前に防ぐことの難しさ

先日、あるCMをめぐって炎上問題が発生した。前述したセレクトショップの事例とは趣が異なるケースである。

この問題については、企業側のCM制作過程に何の問題もない。CM出演タレントにも何の問題もない。しかし、世間の受け止め方により、大きな話題となり、同社のサービスの解約問題、という風評にまで至る。実際に解約者数が増加したのかは不明であるもの、SNS、ネットメディア、そして大手報道機関までの報道にまで及ぶ事態に至っている。

企業側が予想しえない炎上問題については、事前対応策を講じることは極めて難しい。結局、期せずして炎上問題に発展した場合には、事後にどのような危機管理対応策を講じるのか、というリスク管理対応策しかない。

このようなケースでは、企業側の広報としても「お客様の様々なご意見を真摯に受け止める」というスタンスの反応しかできないと推察される。

何が炎上するのか? そのリスクに過度に反応するのは避けたいが、自社の商品、サービス、または広告を展開するにあたって、そのリスクにいかに備えるのか、という視点は企業のリスク管理の一つの視点として常に心に留めておく必要がある。